夜の空気に乗って伝わる音

お父さんの「わははは」と快活に笑う声。子どもの高い跳ねるような笑い声。

食器が触れてカチャカチャという音。

どこか近所の、家庭のワンシーンの風景が漏れ聞こえてくる。

こういう音を聴くと、なぜに切なくなるんでしょう?

 

自分の境遇とは無関係に、無条件心を絞るものってある。

ノスタルジーの語源はギリシャ語の「家へ帰ること」と「痛み」から来ているのだという。

 

こないだの金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』がやっていた。

私はあれの、行きっぱなしの列車に乗って海を渡る場面がとても好き。

TL上でもあれを好ましく思う人が何人か見られて、やっぱりあの場面は、何か記憶や感情の奥底にひっそりと触れるものがあるところだよね、と嬉しくなった。