書かれも出されもしない手紙

気持ちがぐっちゃりしてるとき、むしょうに会いたくなる人がいる。

その人(達)に私が何を求めているのか、自分でもあんまり判然としておらず、不思議に思う。

関係の近しさとか、気が合うとか、そういうことでもなくて、別にたいして仲も良くなかったけど、会いたくなるような人とか。不思議だ。

会ったところで何を話すか困る人もいるな…。

相手も、私が実際に「会いたい」なんて連絡取ったら驚いて困る人も多いだろう。

 

けど、なんかそういう遠さにある人って、わりと私にとっては意識しなくとも支えてもらってるところ、大きい気がする。

夕方、町のスピーカーから流れる下校の音楽が、家々に反響して少しずつ遅れて重なってる響きのなかに。

真っ暗な電車の窓に浮かぶぼうっとした自分の顔に。

仕事、やだなーって思いながら上った朝の階段の先に、開けてる青空と木の緑に。

ふとした瞬間に、あーあの人どうしてるかな、とかあの人もどっかで何かしてるんだろなって、その存在を思う。あの時間は、自分にとって大事なように思う。